●● 生意気オレンジ ●●
特に餌付けをしたつもりはなかったのだが、なつかれてしまった。
(そーいや、この前も気がついたら野良ネコがオレの後ずっとつけてきてたっけ……)
だが、今度は人間な分だけケモノよりやっかいだ。
浜田はてくてく歩いて帰る道の途中で振り返る。
「……泉、来いよ」
ひとつ年齢下の浜田のチームメイトは途端にぱあっと顔を輝かせて走り寄ってくる。
(おーおー、嬉しそうにしちゃって……)
尻尾があったらきっとひきちぎれんばかりに振り振りしているに違いない。
何年か前に引っ越していった隣の家の子も浜田に大層なついていたが、泉は三橋とはまたちょっと違う。
足の速い泉はほんの一瞬で浜田の隣に追いつく。そうして、はっとした風に嬉しそうな表情を引き締めて「なんでもないぜ」という顔を作った。
年齢なら一つ、身長差に至っては大分あるものの、あくまで「オレとお前は同等」というポジションでいたいらしい。
(オレのどこに惚れたのかがよくわかんねー)
浜田はどの角度からでもツッコミを入れられる泉の態度にふるりと震えて、それでもあえて無視するテに出た。
リトルリーグに入団したのはつい最近だ。古くなって取り壊しが決まった元の家からすぐ近所に引っ越して、昨日までと同じように日がな野球をして遊んでいたら近所のオッサンにスカウトされた。
もう大分世間と自分の家を見比べた時のシビアな現実をわかっていたから、いくら熱心に「良郎くんは才能がある」と勧められたところでリトルに入団するなんてことは「ないな」と思っていた。なんだかんだで費用がかかるのはわかりきっている。
それでも親が「良郎、リトル入りたい?」と訊いてくれた時に迷わず首を縦に振っていた。
そうして今、浜田は地域のリトルチームのユニフォームを着て泉と一緒に家路についている。
グラウンドで野球をやっている時よりも、浜田にとってはむしろこういう隙間の時間の方がなんだか現実感がない。
背中にいつでも「いつまでやらせてもらえるんだろう」という強迫観念がつきまとう。
だから、練習も投げ込みも人一倍熱心にやっている。そうしていれば、なんとなく落ち着けた。
秋の夕暮れはあっという間に太陽を夜に連れていく。おかげで練習量も減るから、浜田はなんとなく気持ちが焦る。
一体何に焦っているのか自分でもわからないが、気持ちがささくれる。
今の状態は多分自分にとって最高で、なのになぜそんな風になってしまうのかがわからない。
長い影も一緒になって歩きながら、浜田はそっとため息をついた。
「……腹でも痛いのか?」
隣で泉が少し心配げに尋ねてくる。それで我に返った。
無理やり笑みを浮かべ、相手を揶揄することだってできる。
「いやいや。子どもにはわからない悩みみたいのがオレにはあんのよ」
「なんだよそれ!五年生だからって威張んな!」
泉はあっという間にフットーする。浜田は笑いながら「あー、はいはい」と手を振った。
「なんだよ、それー!」
頬をぷっくりと膨らませてマンガの中の登場人物みたいに怒っている。あんまりにも簡単だからかえって新鮮だ。浜田の弟は兄のそういう挑発にそうそう簡単にはノッてくれなくなって久しい。
(あー、なんかこーゆーのってクるなぁ……)
昔、隣に住んでいた幼なじみもそれはそれはいとも簡単に気持ちいい反応をしてくれたものだが、泉のこれはまた違う感じでぐっとくる。
楽しくて、心の中に住んでいる虫がうずうずと次の反応を欲しがる。
「お前兄ちゃんいるんだろ?」
「兄貴?いるけど。でも、あいつとは毎日戦いだから」
泉がりりしい顔つきになってそう言う。
「戦いぃ?ああ、泉、いじめられてんの?」
「いじめ?ちっげーよ。戦いだっつってんの。今言っただろ?聞こえなかったのか?」
「ちなみに、兄ちゃんいくつだ?」
「オレより……4つ上」
それは多分、戦う前から負けているというやつだ。浜田は3秒でそう結論づけた。
生意気ではあるが、まだまだ語彙が足りていない泉は中学生の兄にそれはそれは面白いほど手玉に取られているに違いない。
半分涙目で兄貴に食ってかかっている姿を想像して、浜田は内側の未知なるざわめきを覚えてしまう。
(泉の兄ちゃん、すげー楽しいだろうなあ)
からかいがいがあって、なおかつ反骨精神あふれる泉はさぞやいいエモノに違いなかった。
しかし、それなら「お兄ちゃんという存在に憧れてまス」とかいう勘弁してほしい理由でつきまとっているわけではないだろう、と浜田は予測をつけた。
(うん、それにしても面白い)
めったない獲物の予感がしてならない。
「あのさー、今その顔あんまり他人に見せない方がいいと思うぞ。キモすぎてすぐに捕まる」
「……」
確かににやにやしていたのかもしれない。が、理由がそれだけならあんまりすぎる言葉の暴力に浜田はあんぐり口を開けて泉の横顔を見る。少し頬が染まっていて、どうやら今の会心の一撃に興奮しているらしかった。
あまりにも素直すぎる。
それでまたぐっときた。
(あー、たまんねー)
浜田はまた泉の兄に嫉妬に似た羨望を感じてしまう。
この食いつきっぷり。隙をみせれば容赦なく攻撃に転じる積極性。
(こんなのが傍にいたら楽しくて仕方ねーぞ)
オレンジ色の夕陽が背中を押す。
あめ玉みたいな太陽は、腹ぺこの今でなくても食ったらきっとすごく美味いに違いないと思う。
「泉、口悪ぃぞー。オレはお前より1コ上だってこと忘れんなー」
「違う」
泉は真っ黒いビー玉の目で真剣に浜田に訴えてきた。
「違う。345日しか離れてねえから、正確には1コ上じゃない。間違えんな」
「……へ?」
泉の言葉の意味がわからなくて首を傾げれば「やれやれ、これだからバカは困る」とやけに大人びた仕草でため息をつかれた。
「オレの誕生日は来月。29日な?で、浜田の誕生日は12月の19日。だろ?」
「ああ……泉の誕生日は知らねえけど、オレの誕生日は確かにその日だぞ」
泉は得意げな顔で言った。
「浜田が生まれてからオレが生まれるまで345日しか開いてねえんだよ。1年は365日だから、1コ上だって威張りたくても実はちげーんだよ」
「……ああ、そう……」
浜田自身は割と引いたところから泉を見ているという自覚があるのだが、他にはそうは映っていないのも知っている。現に、監督もコーチも「浜田はすっかり泉になつかれちゃったなあ」「ふたり仲いいなあ」と笑っている。
キャッチボールも柔軟も何気ない風を装って浜田と組もうと泉がコソクに工作しているのだってバレバレだ。
泉の目はいつもまっすぐ浜田を追ってくる。
同学年のチームメイトだって、泉の代の連中だって「仲いーよなー」と頷くのに、これだ。
(こーゆー時、ウザいよりなんかこー違う感じがするのがいけないのかなあ?)
一瞬浜田は反省した。
「オレと兄貴は、オレと浜田の軽く3倍分も年齢が離れてんだよ」
「まあ、そりゃ、4つ上ならそうだろ」
「でも、オレは多分兄貴より野球上手いんだ」
「ああ……そー……?」
オレンジ色の光の中、泉がじっと浜田を見上げていた。
「なに?オレの顔、なんかついてる?」
「……なんでもねーよ」
泉がふい、と顔を逸らす。
「泉んちどこらへん?」
「森本病院のそば」
「あー、ウチから結構近いな。みどり公園の辺りとか?」
浜田の言葉に泉は頷いた。
「走って1分だ」
「なら間違いないなー。歩いて5分以内とかそんくらいだ。じゃあ、泉」
さしかかった交差点の信号はちょうど赤だった。二人同時に立ち止まる。泉は顔をあげて浜田をまっすぐ見上げた。
「家まで送ってってやるから」
「いらねぇ」
車が1台ふたりの横を走り抜けていった。
「なんだよー。テレんなよ。下級生を送ってってやんのは上級生のギムだろー?」
そう浜田が言えば、泉は露骨にイヤそうな顔をして舌を出す。
本当に小憎たらしい仕草をよくわかっている。
「だから、たかが345日早く生まれただけですっげーエラそーだっての」
「お前ねぇ……」
呆れ声を出してみるものの、浜田は怒る気にはならない。
(あー、なんかこークるんだよなぁ、こいつ)
ムカつくといえばムカつくのだが、どうもそれだけではないようなそんな不思議な感触だ。
後ろから必死で追いかけてくるくせに、隣に立つとぷいと横を向く。
リトルの他の上級生に対しては割と屈託ない様子で接しているし、結構かわいがられているのは知っている。浜田が他の連中といる時にはそこそこ当たり前の先輩に対する態度をとることだってできるのだ。
なのに、隙を見つけてはちょろちょろとつきまとい、構ってやれば小生意気なことばかり言う。
「あ!でもいいぜ、浜田……さん」
「最後に『さん』づけする度に腹下したみたいな顔するくらいなら呼び捨てでいーよ。なんかオレまで下りそー」
「んじゃ、浜田。ウチ来ていーぞ。いーもんやるよ」
許した途端にさっさと呼び捨てだ。泉が本当になついてるのか、非常にギモンを覚える浜田である。
「なんだよ、いーもんって」
「来たらわかる」
泉がにこにこしながら言う。それはさっき泉に「来いよ」と言った瞬間のごまかしようのない明るさがあって、それで浜田はやっぱり「うん、惚れられてる」と思うのだった。
泉の家は予想通り、浜田の家から歩いて5分かそこらの場所にあった。
庭付き一戸建ての二階家だ。まだ建って数年のぴかぴかの家の匂いがした。
「浜田、ちょっと待ってろ。ただいま!お袋いるー?」
泉は自分のテリトリーに入った途端3割増しで強気を見せて、玄関の内側まで浜田を招き入れると靴をぽんぽんと脱ぎ捨てて家の奥に走っていった。
奥で何やらぎゃーぎゃー泉がわめく声が聞こえる。
玄関口に残された浜田は苦笑して、その場で待っていた。
黙って帰ったらあとがコワい。
きょろきょろ他人の家の玄関を見回せばなんだか知らないがオレンジ色のかぼちゃの人形がディスプレイされているのが目に入った。よく気の回った、そこそこ余裕のある家なのだとそれだけでわかる。
「……」
なんだか、急に帰りたくなってきた。
「だから、今朝用意してたヤツ!まだあんだろ?アレ出してよ!」
「なんなの?コースケ、お友だちが来てるんだったら上がってもらったら?」
「友だちじゃねーよ!浜田だ!」
(浜田ってのはオレの名前であって、泉との関係の説明になってねーんじゃねーの?)
浜田は立ち尽くしながらますます苦笑を濃くする。
(帰ってもいーかなー?)
明日泉がどんなに暴れようが、このいたたまれなさよりはマシだろう、と浜田は心を決めた。
だが、決心を実行に移す前に泉と母親らしき女の人が姿を見せてしまい、その目論見はあえなく敗れてしまう。
「ああ!あなたが浜田くん?コースケが毎日毎日浜田くんのこと自慢してるのよ」
「へ?……あ、はじめまして。浜田です。えーと、リトルで一緒で。あと、小学校も」
キャップを外して頭を下げる。このあたりの所作は我ながら小学生離れしているとの自信が浜田にはある。きっとこの先も役に立つことだろう。
「はい。はじめまして。豪速球の浜田くん」
「お袋、余計なこと言うなよ!」
後ろでぎゃーすかわめく泉を無視して、泉の母親はにっこりと浜田に笑いかけた。
「いや、豪速球だなんて……」
そう言われて悪い気になるわけがない。ちらりと母親の後ろにいる泉を見た。
目があった途端、ものすごい勢いで視線を逸らされた。
「だってねー、浜田くんが初めてリトルに来た日から練習のある日もない日もずーっとあなたのことばっかりコースケから聞かされてるんだもん。名前聞くまでもないわ。ひと目でわかっちゃった」
「ほー」
思わずにやにやしながら、泉を見れば完全に真横を向いている。
「で、浜田くん?はい、これ」
泉のおばさんはにこにこしながら綺麗にラッピングされた包みを差し出した。
「……ありがとう、ございます?」
オレンジと黒と紫と。独特の色味ばかりが踊るラッピングの中身はとりどりのお菓子だった。なぜこんなものをもらえるのか、浜田には今一つピンとこない。
また袋の中身も市販のお菓子を適当に詰め合わせたというわけではないのは見ればわかる。浜田はちらりと玄関先のかぼちゃのおもちゃに目をやった。
「ハロウィンって知らない?」
泉の母がにっこり笑って尋ねるので、浜田は素直に首を横に振った。
「外国のお祭りなのよー。仮装した子どもが近所の家を回って、おかしをもらうの」
「オレ、仮装してないっすよ?」
「あー、いいのいいの。その辺は省略」
泉の母は屈託なく笑った。
「でもー、ホントは、トリック・オア・トリート?って言ってもらいたかったんだけどなー」
「トリック・オア・トリート?」
言われたままに復唱すると、泉の母がにっこり嬉しそうに笑った。
「ありがとー、浜田くん。コースケったらちらっとも言ってくれないのにお菓子だけ要求すんのよ?少しくらいつきあってくれたっていいのにねー」
浜田が首を傾げると、泉が「ハロウィンなんてマイナーだろ?てか、日本じゃそんなの流行んねーって言ってんのに」と口を出す。
泉の母は「だって、イベントはとりあえずやっておきたいじゃない?」とため息をついた。
「そう思ってちょっとだけお菓子用意したんだけど、用意したからには自分ちの子だけじゃなくて他の家の子にもあげたいし。でも日本じゃハロウィンだからって子どもたちが家を回ってくる確率なんてゼロだし。誰かリトルの帰りに連れてきてってコースケにね」
「頼んだんスか?」
浜田としては思いがけずお菓子の詰め合わせを手に入れられたのだから、理由も動機もどんなものでもいいのだが。
すると、泉の母はにっこり笑って否定した。
「ううん、命令したの」
泉がげんなりした様子でため息をついた。
「でもそれで、コースケの憧れの人連れてきてくれるとは思わなかったわ」
「憧れ……」
「お袋っ!」
背後で泉が、さっきまで浴びていた夕陽の色よりずっと真っ赤に頬を染めた。
「浜田、なんかキモいぞ?」
コンビニのハロウィン商品陳列棚を整理しながら、ついついにやけてしまっていたらしい。
年長の同僚が、ぽつりとささやいてレジの方に戻っていった。
バイトがヒマなのは結構だが、ヒマすぎると時間が経つのが遅くて困る。
ぼーっとつっ立っているよりはマシだろうと、仕方なく商品の品出しやら、整理やらをはじめていたところだ。
夏の商品を撤去してから約2か月。店内の一角に設けたハロウィンのお菓子を並べたコーナーはそれなりに商品の回転がよくて店長がご機嫌だ。
それがどんな意味のある風習なのか、いまだに浜田はよく知らないが、このオレンジと黒と紫とに街が彩られる季節の思い出は結構鮮烈に胸の中にある。
最初にこの外国のお祭りのことを意識した日のことは今も折に触れ思い出さずにはいられない。
おかげで、おばけカボチャのイラストを見かける度ににやけ笑いが止まらなくなって困る。
まだ幼い頃の泉の真っ赤な顔を思い出して、浜田はまた笑みをもらした。
「うん。本格的にキモい。お客が寄ってこなくなるからやめてくれ。てか、そろそろ時間だろ、お前」
レジの向こうから同僚が容赦なく声をかけてくる。
「あ。オトモダチが迎えに来てんぞ」
ショーウィンドウの向こう側に、巨大なバッグを持った泉の姿が見えた。
浜田は軽く片手をあげてみせる。泉は頷いてコンビニの中に入ってきた。
「ちーす。お迎えごくろーさん。浜田、もう終わっから立ち読みでもして待っててやってなー」
「っす。すみません、バイトの邪魔して」
「いやいや、見てのとーり、邪魔とか思うようなお客さんいねーし」
基本的に年長者にはかわいがられる術を心得ている泉は、浜田のバイト先の人間にも概ね好評な人材だ。
浜田はレジの奥にある前室でエプロンを外すと、タイムカードをきっかりの時間に打刻する。
ふと事務机の上を見ると、店長からバイトの連中への差し入れがおいてあった。
浜田は遠い日の夕焼けの色を思い出しながら手を伸ばす。
「泉、今日何の日か知ってるか?」
「……木曜日」
二人して自転車を押して歩きながらそう尋ねれば、そう答が返ってきた。
「じゃなくて、なんか行事あんだろ、今日」
察しはいい方だから、わざと答えるつもりがないのかそれとも本当にわかっていないのか。
「わかんね」
ちょっとむっとした様子で泉が言うので仕方なく浜田は自転車を停める。
そうして、着ていたブルゾンのポケットに手を突っ込むと、ぬっと泉の前に突き出した。
「トリック・オア・トリート?」
泉はたっぷりと握りしめたままの浜田の拳と顔を何度か見比べると冷たく言う。
「お前は熱でもあんじゃね?なんだそりゃ」
浜田は予想通りの反応に、だがやっぱりちょっとがっくりしながら握っていた手を開く。
手のひらにはオレンジ色の包み紙のキャンディーが1個のっていた。ちゃんとジャック・オー・ランタンの目玉とぎざぎざの口が黒で描かれている。
泉の表情が世にもイヤそうなそれに代わる。
「オレにとってはハロウィンってのは結構思い出があってだな」
にやにやしながら浜田が差し出したあめを、泉はぽいと口に放り込むと「オレはねえよ」と言ってまた歩き出す。
「あー、その反応。思いだしただろ?思い出したんだろ?」
「ねえよ。思い出なんてひとっつもねえ」
声が怒りに満ちている。
それで浜田はやっぱりにやにや笑ってしまう。自分の分にも1個確保してきた、泉にやったのと同じあめを口に放り込んだ。
バタースカッチの甘ったるさが、口中に広がる。なんだか懐かしい気持ちがしたのは、あの時のお菓子の中にもこれと同じ味のあめがあったからだろうか。
実際、どんなお菓子が詰められていたかなんて覚えてはいないのに「きっとそうだったに違いない」と浜田は思った。
精霊たちが一斉に姿を現すという晩だ。過去の夕陽の時間からたった今二人で歩いている夜の道が、一瞬にして繋がったような気がするのは、錯覚ではない、と浜田は思う。
「なー。今でもオレって憧れの人?」
「……ンなわけあるか、図々しい」
「やっぱり思いだしてんじゃん」
「聞こえねー」
夜の道はどこまでも続く。
そうして二人して、ハロウィンの夜をずっと歩き続けた。